【対策は必要!?】パイロット 適性検査についてスーさんの考え〜主観たっぷり〜
こんにちは、スーさんです
東海大学を経て国内航空会社で働いています
パイロットを目指す人や訓練生を応援するためにブログを書いています
この記事はこれから航空系の大学や自社養成などを受ける人へ向けて、試験の一つである適性検査・適性試験についてスーさん自身の考えをシェアする記事です
これからパイロットになりたいと考えている人、特に航空系の大学の入試を控えている人、適性検査に不安を持っている人は参考にしてみてください
自社養成や航空大学校を受験する人、また一回適性検査で不合格だった人にも参考になる記事だと思いますのでぜひ最後まで見ていってください(^^♪)
この記事でわかること
- 適性検査とは
- 適性検査の対策方法
- 適性検査前の心構え
パイロットの適性検査にテクニカル的な対策は必要ない
テクニカルなことより人間性を磨く
その理由
- テクニカル的なもので適性があるかは決まらない
- 適性検査の評価方法や評価内容が分からない
- 試験官がみているのはパイロットとしての人間性
※テクニカルな対策は必要ないと思いますが、対策を否定するものではありません
今回の記事はスーさん自身の経験や考えから発信しています
スーさんの主観成分100%に近い内容なのでこの内容を鵜呑みにしすぎないようにしてくださいね。笑
最終的に適性検査に対してどのように臨むのかはみなさん自身が決めることですので、あくまで情報の一つとしてください
【適性検査ってそもそも何?】適性検査の種類
まず、「適性検査」について軽く知っておきましょう。
「適性検査」とはその人の性格、人間性がパイロットに適しているかを調べる検査です
まあ適性検査、その言葉通りですね。
しかし、適性検査一つとってもその方法は、各大学、各会社によって様々です。
シミュレーターを使った適性検査
このタイプの検査は試験官と一緒に実際にシミュレーターのコックピットに入って操縦をして適性を測ります
FFS
航空会社の採用試験ではFFS(Full Flight Simulator)を使った試験もあるようです。
FFSは実際にパイロットが訓練するものです。実際にFFS自体が動くのでGを感じ空を飛んでる感じがするものなので、リアルに近いフライトが再現できます。
このFFSを使って、飛行機をまっすぐ飛ばしたり、旋回させたり、減速、増速させたりします。
FTD
FTDはFlight Training Deviceと言って、FFSに比べると簡易的なシミュレーターです。
実際にシミュレーターが動くわけではありませんが、コックピットがしっかり再現されているものが多く、東海大学では主にアメリカから帰国した学生が採用試験対策で使用します。
FTDを使った適性検査の内容はFFSの内容とほぼ同じだと思います。
検査ツールを使った適性検査
東海大学の適性検査はこのタイプですが、シミュレーターを使った適性検査ではなく、適性検査用のツール?コンピュータ?を使ったものもあります。
東海大学ではWOMBATと言う検査ツールを使用しています。
この適性検査では、ゲームのような感じで実際にスコアがつきます。
スーさんも実際に東海大学の入試でやりましたが、スコアは結構悪かったです。笑
【適性検査は何をみているの?】適性検査がある理由
そもそもなぜ適性検査というものがあるか?適性検査で何を見られているかを考えてみましょう。
その理由を理解すると適性検査に対しての見方が変わると思います。
Progress(進捗)があるかを見る
シミュレーターを使った適性検査でよく言われているのが、このProgress(進捗)をみられているということです。
シミュレーターを使った適性検査は大抵同じような内容を2回行うと思います。
それで1回目の失敗や反省をどれだけ2回目に活かされているかをみられます。
マルチタスクをみている?
シミュレーターの適性検査でも、WOMBATなどの検査ツールでもよく言われるのはマルチタスクを測っているということです。
シミュレーターでは飛行機を飛ばしながら、雑談したり、簡単な計算をしたりすることもあります。
しかし、スーさん的にはマルチタスクというより、
一つのことに集中しない・大切なことを理解しているか?・優先順位を考えられるか?
ということが大事だと思っています。
例えば、
飛行中に紙に書かないとわからないような計算問題が来たとして、、
頑張って暗算していたらいつの間にか変な方向に飛んでいた…
こんな感じになっていたらちょっとお寒いですよね。笑
それなら、「紙に書かないとわかりません」と言った方がスーさん的には良い気がします。
そもそもマルチタスクとは?
余談ですが、マルチタスクについてお話しします。
これはスーさんの持論ですが、そもそも人間はマルチタスクはできないと思っています。
パイロットはマルチタスクをしていると言う人がいますが、マルチタスクというより、やるべきタスクを認識して、シングルタスクを高速で回しているという表現の方が近いです。
人間は同じことを同時にできません。
何かに集中している時は、何かに集中していません。
だからこそ、一点集中せず、優先順位や今大事なことは何か?を常に考えてタスクを処理しているのです。
WOMBATでも同様にマルチタスクをみている?
WOMBATは簡単に説明すると、
メインゲームやっている時に、数種類のサブゲームをやる
みたいなイメージです。
WOMBATは実際に点数が出ますが、この点数が高いから合格、低いから不合格なのかはわかりません。
スーさん的には、ゲームの点数の高さというより、優先順位や一つのことに集中していないか?ということをみられているような気がしました。(本当に何を見ているのかはわかりません。)
※2回目ですが、スーさんは全く上手くできませんでした笑
人柄や人間性を見ている
シミュレーターや検査ツールである程度できた〜と思っている人が合格しなかった…ということもあります。適性検査ではその受験者の人間性もしっかり観察されています。
実際のシミュレーターの出来が良くても、
- 試験官とのコミュニケーションがうまくいかない…
- 周りの受験生とコミュニケーションがうまくいかない…
- 教えてくれる試験官のアドバイスをうまく受け入れられない…
- 待合室で待っている時の態度が悪い、挨拶ができない。
こういう人はいくら技能的に優れていても合格しにくいでしょう。
逆に、出来があまり良くなくても、
- アドバイスをしっかり聞く
- うまくいかなくても諦めない。
- 元気ではつらつして、話していても気持ちがいい
- 貪欲に失敗を修正しようとする
こういう人は合格しやすいのかなと思います。
結局、飛行機を飛ばすことに関しては全員初心者
どれだけシミュレーターとかゲームなどで練習してきても、結局飛行機を飛ばすということに関しては、受験生全員が初心者です。
受験の時点で操縦の技能があってもなくても、これからの訓練でちゃんと飛ばせるようになります。
実際のフライトでは飛行機を飛ばす上で操縦以外にも必要なことはたくさん出てきます。
ゲームで飛行機を飛ばすことと、実際に空を飛ぶことは全く別物です。
飛行機を飛ばせる人間性があるか?この先もしっかり訓練についていけるか?成長してくれるか?
そういうことを適性検査を通して判断されるということです。
【結局対策は必要?】事前に対策してもあまり意味がない
先ほど紹介したProgress(進捗)を見るという点から見ると、事前の対策はほぼ意味がないことがわかります。
例に出して説明すると、、あまり点数で表現はしたくないですが、わかりやすくするため…
A君(色々シミュレーターとかで練習して臨みました)
1回目のシミュレーターが仮に60点だったとして
2回目のシミュレーターが65点だとしたら…?
→Progressは5点分です。
B君(全く練習せずに臨みました)
1回目のシミュレーターが30点だったとして、
2回目は1回目の反省をもとに50点くらいだとしたら…?
→結果としては、20点分のProgressがあるわけです。
この場合、B君の方が評価は高くなります。
結構極端な例でしたが、先ほど述べたように、適性検査は飛行機を飛ばす技能があるかどうかをみているわけではありません。
そして、シミュレーターなどの練習をしてきたかは、試験官がひと目見れば大体わかるので、下手に対策するよりは、ありのままの自分を見せるつもりの方が遥かに良いのかなと思います。
そもそも何で評価されているか分からない
多くの適性検査は合格・不合格の結果のみで、具体的な評価内容は謎です。
先ほど評価されている内容を挙げましたが、このうち1つだけを評価しているかもしれませんし、その他の要素で評価しているかもしれません。
実際にテクニカル的なことを対策したところで、試験官が何を重視して評価しているのかがまずわかりません。
これは、試験官によって大切だと思うポリシーが違うということがあり得るからです。
Progressを大切にするのか、素直さを大切にするのか…
【逆効果?】対策が裏目に出てしまう
スーさん的に、変に自己流でシミュレーターなどで対策してしまうと、変な癖や、あまりよしとされない飛行機のコントロールをしてしまう可能性もあるのかなと思います。
ぶっちゃけ飛行機は乗り物なので、ある程度コツを掴めば多くの人が難なくコントロールできるようになると思います。まして、シミュレーターなど、外的要因がほぼ皆無な状況であれば尚更です。
たくさん練習して、ある程度自己流でコントロールできるようになったとして、変な癖がついてしまったら、なかなか戻すのは難しいかと思います。
変な慣れや癖が適性検査で顔を出したら、試験官的にはあまり良い印象は与えないでしょう。
【めちゃくちゃ主観的】適性検査は客観的な試験ではない
ここまで読んで思った人もいるかもしれませんが、この適性検査は試験官の主観がめちゃくちゃ入ります。
検査ツールを使った適性検査だったとしても、データを見る際におそらく多くの主観が入るでしょう。
パイロットの世界は人が人を評価する世界なので、客観的な試験はほぼありません。
A試験官は不合格を出したのに、B試験官であれば合格を出す
なんてことは往々にしてあり得ます。
主観が入るからこその対策
今まで、適性検査には対策は必要ないと散々書いてきましたが、スーさん的に対策するとすれば、パイロットに近い人間性を磨いておくということです。
人間性、人間性というのはあんまり好きではありませんが、事実、訓練中から今でも言われることなので大切なのです。
以下、良く言われること(言われたこと)を書いていますので、自分と向き合う一つの参考ににしてみてください。
- 嘘をつかない、ごまかさない、言い訳しない
- 挨拶をしっかりする、ハキハキ話す
- 素直さ、謙虚さ
- 一生懸命、一所懸命
- 感謝できる、先輩後輩を敬うことができる
- ちゃんとコミュニケーションができる
ざっくりこんな感じですが、まだまだ必要な要素はたくさんあると思います。
例えば、スポーツの試合で負けた時や怒られた時に、人のせいにしがちな人、初対面で挨拶をしない人や、後輩に当たりが強い人など…要注意です。
抽象的ですが、隣で一緒に飛ぶ人が不誠実な人では嫌ですよね。
シミュレーターなどで対策をするよりは、普段の生活から自分の言動を見直して、自己分析して改善していく方が遥かに良い対策だと思います(^^)
※ちなみに、現役パイロットでもこれら全ての人間性を兼ね備えているわけではありません。笑
スーさん自身も弱い部分はもちろんあります。
実際に適性検査を受ける前の心構え
たくさん書いてきましたが、実際に適性検査を受ける前は、今までの自分を見せるつもりで臨めば良いと思います。
無理に背伸びをせず、謙虚になりすぎず、素直に臨むことが大事だと思います。
緊張したときに出るパフォーマンスを含めて自分です(^^)
時間にゆとりを持って少し早めに試験会場に行き、説明書があればしっかり読み込む、わからないことがあれば質問してみる…etc.
やることはシンプルですので、自分を信じて頑張ってくださいね!
まとめ
いかがでしたか?
この内容は試験官をやったことないスーさんの主観が入りまくりな内容なので、信憑性はあまりありませんが、入試、各社の採用試験を経験した上での記事です。
多少はまとを得ているのかなと思っています。笑
パイロットの適性検査にテクニカル的な対策は必要ない
テクニカルなことより人間性を磨く
その理由
- テクニカル的なもので適性があるかは決まらない
- 適性検査の評価方法や評価内容が分からない
- 試験官がみているのはパイロットとしての人間性
※テクニカルな対策は必要ないと思いますが、対策を否定するものではありません
今は、適性検査の対策をしてくれるスクールも調べればありますので、どうしても対策しておきたい!と思う人はしても良いかと思います。
実際に元エアラインパイロットとも会えますしね。
スーさんの考えが全て正しいとも思えないので、いろんな人の話しを聞いてご自身で判断するのが一番良いかと思います。
適性検査を受けたけど不合格だった人へ
もし不合格だったときは、技能がなかった、マルチタスクができなかった…という反省より、自分分析をしてみると良いかもしれません。
適性検査は普段の考え方、習慣などが現れてしまいやすいです。
- 普段から優先順位を意識している人と、そうでない人
- 普段からアドバイスを素直に受け取って考えて自分の力に昇華させる人と、自分のやり方だけに固執する人
そのまま結果として現れると思います。
自分を見つめ直して、2回目以降に合格を掴んだ人はたくさんいます。
先ほど挙げたように、パイロットの試験は試験官の主観が入ります。違う試験官なら合格するということもあり得ます。
そして、1回目で適性がなかったからといって、パイロットの適性がない訳ではありません。
自分で人間性で不合格だったかも…と自己分析したとしても、人間は成長します!また次の機会に備えましょう(^^)
今回の内容が少しでもみなさんのお役立てれば嬉しいです
それでは!