パイロット・訓練中の人へ
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【フェイルが多い!?】自家用課程でつまずくポイント〜どう乗り越えるか簡単なアドバイス付き〜

スーさん
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こんにちは、スーさんです

東海大学を経て国内航空会社で働いています

パイロットを目指す人や訓練生を応援するためにブログを書いています

今回は質問をいただいたことを参考に記事を書いてみました。

質問

自家用課程で、つまずき今後の訓練が苦しくなったり、フェイルする確率が高くなると聞いたのですが、どのように乗り越えたかを教えてください。

原文そのままではありませんが、

自家用課程で、多くの人がつまずくポイントとその乗り越えた体験談が知りたいのかな?ということで、、、

今回はスーさんが実際につまずきまくった自家用課程についてそのポイントなどを記事にしました。

スーさんの体験談はあまり役に立たない気がするので(笑)

スーさんが経験したことから今も実践しているアドバイスを書きました!

東海大学ではない人にも役に立つかと思いますので、現在、自家用課程にいる人、これから訓練に入る人、パイロット関係なくつまずいていることがある人に役立つ内容かと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

結論

自家用課程でつまずくポイント

  • ソロフライトに出るステージチェック
  • 終盤のステージチェック

特に着陸でつまずく人が多い

※この記事はスーさんがアメリカで訓練した経験から発信するので、日本や他の国で訓練している人、UND(University of North Dakota:東海大生が訓練するアメリカの提携大学)ではない場所で訓練している人は少し違うかもしれません。

ポイントとしては同じようなことだと思うので、参考にしてみてください

この内容はスーさんの経験から、主観が多く含まれているので、全く違う意見を持っている人もいますので、あくまで参考にしてください

現在ではUNDのシラバスが変わっている可能性もあります

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ソロフライトに出られない

まず、自家用課程で最初の関門がソロフライトに出ることです。

実際にUNDではソロフライトに出る前にステージチェック(プログレスチェック)があります。

このチェックの目的はソロフライトに出られるだけの知識と技量があるかどうかを見極めることです

普段一緒に飛んでいる教官とは違う教官がチェッカーとして、オーラルチェック(口述確認)、フライトをします。

着陸操作が安全にできるか、Go Aroundできるか

ソロフライトに出るには離陸・着陸を訓練生自身でできる必要があります。離着陸以外にもPractice Areaでのマニューバーがありますが、多くの人は横風を伴う着陸操作の習得に難しさを覚えてつまずきます

  • 着陸操作は安定した進入が大切ですが、、最初はこの安定した進入ができない…笑
  • 安定した進入や着陸操作が上手くできなかった時にちゃんとGo Aroundができるか?
  • 安定した状態で滑走路に進入していないと判断できるか

飛行機に慣れていないとなかなか難しいですが練習あるのみです

実際、スーさんも横風着陸が自家用課程最後まで掴めずフェイルしかけました

※今でもまだまだ伸び代だらけです

飛行機を安全に操作できるか

最初のステージチェックでは着陸以外にもPractice AreaでSteep TurnやStall RecoveryなどのマニューバーやEngine Failをしたと仮定してその対処などチェック項目があります

  • 飛行機を安全に操作できるか
  • フライトにおける危険を認識して、危険から離れる行動が取れるか
  • 管制官や他の飛行機と無線で上手く交信ができるか

などなど離着陸以外にもできなければならないことがたくさんあります

これらは基礎的なことですが、とても大事なことです

ソロフライトに出られるだけの知識があるか

チェックではフライトの前にオーラルチェックがあります

  • 緊急時の操作でメモリーアイテムを覚えているか
  • 緊急時の対応方法
  • 飛行機を操縦する上で基礎となる航空力学
  • 規則や規程的にしても良いこと、してはいけないこと、必要な書類
  • 乗りこむ飛行機の基本的な知識や操作方法
  • 天気のこと

などなど(過去の自分のノートを久しぶりにみました笑)

そして、これらの知識はオーラルで答えられたとしても、フライトで活かせなければ全く意味がありません

やってはいけないことを知っているけど、フライトでやってしまう…こうなると不合格になってしまいます

気負う必要はない。80点でOK!

読んでいると難しそうで、不安になると思いますが、気負う必要はありません。

最初は出来なくて当たり前で、完璧に出来ません

実際に教官やチェッカーはたった20時間ちょっとしか飛んでないのに上手に出来るわけないとわかっています

最低限、これだけは出来てくれよな!という所は外さないようにすることが大切です

この記事を書くために過去の自分のノートやレポートを見返してみたら、「何言ってんだ、何やってんだお前…」という感想が出てきました(笑)

この世界で大切だと思うことは、80点をコンスタントに取り続けるということです

自家用課程の鬼門は終盤に

ソロフライトの為のステージチェックが終わったとしても自家用課程はまだまだ続きます

そして、ソロに出て実際に自家用操縦士になれるか?という終盤の段階でつまずく人もたくさんいます

【ロスポジに注意】クロスカントリー

ソロフライトに出た後は、クロスカントリー(ナビゲーション)が始まります

基地空港から、遠く離れた空港まで計画した経路を計画した時間で通って目的地まで到達するようにフライトをすることです

このクロスカントリーは慣れれば簡単なのですが、最初は躓く人が多いイメージです

  • 自分の位置がわからなくなってしまう『ロストポジション』
  • ナビログの記入や計算盤に気を取られていつの間にか針路が変わっていたり高度逸脱…

これは一例ですが、やらかしポイントが色々あります笑

スーさん的にクロスカントリーは結構得意だったのでまたいずれポイント解説記事を作りたいなと思います

東海大では後半留学組は注意!

東海大の訓練生が訓練するGrand Forksでは冬ではあたり一面雪で覆われて目標物がめちゃくちゃわかりづらくなります

この冬の時期に自家用課程でクロスカントリーを行うのが、後半留学組です

そして、日本の免許に書き換える時にも同様にクロスカントリーをするのですが、その時期も冬です笑

クロスカントリーのコツやポイントは早いうちに身につけておきましょう!

【大苦戦】Short Field LandingとSoft Field Landing

UNDの自家用課程終盤のステージチェックでは普通の着陸(Normal Landing)に加えて

  • Short Field Landing
  • Soft Field Landing

が加わります。

その名の通り、着陸距離を短くする着陸と、接地を柔らかくする着陸です

これらは着陸距離が性能上ギリギリの短い滑走路や、下が芝生の滑走路などでも着陸できるように自家用操縦士に求められるスキルの一つです

スーさんはこの2つに大苦戦…

UNDの自家用課程終盤ではステージチェックが2つあり、この2つ目がチェックライドと言われ、自家用操縦士のライセンスがもらえるチェックです

この2つのチェックはほとんど内容が同じなので、当然Short Field LandingとSoft Field Landingがチェック項目としてあります

※ちなみにShort Field TakeoffやSoft Field Takeoffもありますよ

【オーラルは3時間(笑)】パイロットの基礎知識

そして、ソロ前のステージチェックとは比べものにならないくらいの知識が求められるのがこの時期

パイロットなら当然知ってるでしょ?という感じでオーラルが始まるとか…笑

内容は、、

  • 航空力学、性能など
  • 緊急操作やそこから関連したこと
  • 規則や規程で決まっていることで自家用レベル
  • 乗っている機体のシステム
  • VFRチャートの内容や空域など
  • 天気のこと

実際にスーさんは簡潔に答えても全ての項目を隅から隅まで聞いてくる感じで休憩含めてオーラルは3時間くらいやりました笑

勉強だけはしてたのでなんとか乗り越えましたよ。

ここまで長いオーラルをするかと言うのはチェッカーによるというところですが、あまり受け答えが良くないとフライトに行く前に不合格…

となってしまうので気をつけたいところです

着陸って難しいの?習得難易度

ライセンスを習得したパイロットであれば着陸操作はある程度のレベルでできます

※ここでは着陸の深い話・議論をしたい訳ではありません笑

では、実際に多くの人がつまずく着陸についてお話しします。

飛行機を乗ったことがない人に着陸の習得難易度を伝えるのは少し難しいですが、スーさん個人的には、スポーツなどに例えるといいかなと思ったので例えてみます

着陸の難易度は

  • バスケットならスリーポイントを連続で決める
  • テニスならしっかり振り切ったスイングでラリーをする
  • サッカーならリフティング50回くらい
  • 野球ならボール回し30周くらい
  • ゴルフなら10ヤードくらいからチップインを決める

これらのことを初心者が習得するくらいの難易度かなと思います。(超個人的な考えです!)

あくまで例えです!!笑

だいたいの感じを掴んでほしいだけなので!笑

スポーツをしたことがある人ならなんとなくわかってもらえるのではないでしょうか?

パイロットの人は共感してくれるかな…

習得した人にとっては難しくはない

このスポーツの例えはなんとなく気に入っているので、この記事の中で多用します笑

スポーツをしたことがある人ならわかると思いますが、先ほど例を挙げたことは一度習得した人にとってはそこまで難しいことではないと思います。

しかし、初心者が習得するとなると、まあまあな難易度のラインかなと思います。

  • 簡単に習得する人もいれば、時間がかかる人もいる
  • 習得にはポイントがある
  • 我流ではなかなか難しい
  • 突き詰めていけばレベルが上がっていく

どうでしょう?なんとなくわかってもらえたでしょうか?

プロのパイロットにとっては着陸はそこまで難しい操作ではありません。ただし、天候等の環境によっては難しくもなります。だからこそ、風や滑走路状態によって制限があったりする訳です。

ファーストソロに出る上では、決められた期間の中で、決められた訓練の回数で最低限の離着陸ができるようになることが求められます

多くの人がつまずく原因

実際にステージチェックではこの着陸操作を、、

  • いつもと違う教官と一緒にやる
  • どこの空港でやるかわからない
  • 前日くらいまでどんな風かわからない

このような条件が揃うと、ステージチェックで合格をもらうにはハードルが上がります

いつもと違う

この違いだけで初心者の着陸操作は不安定になってしまいがちで、多くの人がつまずく原因かなと思います

もちろんスーさんもめちゃくちゃつまずきました

なので、この着陸操作をいかに自分のものにするかが一つ鍵になる訳です。

【実際にどう乗り越えるか】スーさんの経験からアドバイス

スーさん的には自家用課程は思い出したくないくらい苦労したフェーズでした…

自分が情けなくて何回泣いたかわかりません笑

着陸もなかなか掴めず、特に横風が強いとなかなか上手くいきませんでした。

ここからはどうやって自家用課程を乗り越えるかのアドバイスを紹介します!

自家用課程だけではなく、この先の訓練という訓練を乗り越えるポイントなのでぜひご覧ください

【一番大事】現状と理想の状態を知っておく

知識もそうですが、フライトではただ闇雲に練習をすればいいという訳ではないと思っています

練習をする前に、どういう状態が理想的なのか?

と言うゴールイメージを持っておくことが大切です

着陸一つとっても、どういう着陸が理想なのか?を知っていないとそこに対してアプローチできません

訓練は理想と現実のギャップを埋めていくことだとスーさんは考えています

理想の状態に対して、自分はどのような状態なのか、伸び代はどこなのか?を見つけることがとても大事です

※そんな理想なんて考えたことないけど上手にできる人もいます(かっこいい笑)

とりあえず知識は勉強あるのみ

この世界はチェッカーが同じであればオーラルでは同じような質問がくるので、過去にチェックを受けた人からの情報はしっかり共有します

なので、オーラルで不合格をもらう人はあまりいないのが現状です

しかし、実際に自分でしっかり勉強した上で情報共有を受けて臨むのと、情報共有のみで乗り越えるのでは、だいぶ違います

おすすめは、当然ながらしっかり勉強しておくことです

これは、自分に自信をつけるという意味でも大切かなと思います

実際、あんまり勉強しなくてもチェックをスルスルっとくぐり抜けていく人もいます笑

昔は、「なんで!?」と憤りを感じていましたが、今では尊敬の気持ちの方が強くて、そういう人からポイントを教えてもらうようにしています

そして、知識は自分のパイロット人生の土台になるものですので、本当に勉強しておくことをおすすめします

おすすめの勉強法なども後々ブログの記事にしていきますのでお楽しみください

スーさんはまじめが取り柄だったので知識関係はとにかく勉強しました(※上には上がいます笑)

ちなみに、もうちょっと先の計器飛行証明の訓練課程では知識がより大切になってきます!

【意識化】やることを言葉で話せるように言語化

フライトは乗り物なので、たくさん練習すれば、操縦自体は多くの人が習得できると思います

しかし、訓練では期限がある以上、周りは自分の成長をいつまでも待ってくれるわけではありません

習得を早める為にスーさんがやっていたことは、

『自分の動きの言語化』です

この『言語化』をすることで、『無意識にやっていることを意識的に行えるようになる』とスーさんは考えています

そして、言語化できると言うことは、再現性があると言うことです

逆に、言語化できないことは無意識でやっていることが多いので、最初のうちは上手くいかないことが多くなります

経験が無い分まずは情報収集

訓練初期は経験が無いので「だいたいこうやればいいだろう」という感覚もあまり使えません

自分の動きを言語化できるくらい掘り下げていった上でイメージフライトをしておくと、フライトに余裕を持った状態で臨むことができ、フライトの振り返りもしやすくなります

欠点としては、フライトの経験が少ないうちは、この言語化すら難しいことです

なので、最初の方はフライトの中で自分のイメージフライトをする上で必要な情報を集めることです

  • Throttleを動かして、Powerを入れたらどのくらいP-factorが働くのか?
  • ラダーを踏むとどのくらい機首が動くのか?
  • ピッチを1度動かすにはどのくらい操縦桿を動かすのか
  • Powerを100RPM変えるにはどのくらいThrottoleを動かすのか?
  • 飛行機ってどのくらいの速さで動いているのか?
  • 25度バンク入れる時はどのくらいピッチを支えないといけないのか?
  • 管制官はどんな指示をしてくるのか
  • 周りの機体との関係性はどうするのか

これらは一例ですが、言語化するのに必要な情報を早いうちに集めていくことが大切です

同期のフライトをオブザーブさせてもらうなど情報収集していきましょう

【身体で覚える】手足や目動かして無意識化

言語化ができるようになったら、実際に体を動かしてみます

  • 300RPM減らす時のThrottleはこのくらい動かす
  • ピッチを3度下げる。操縦桿はこのくらい
  • フラップを下げた時のピッチアップモーメントはこのくらい操縦桿を押して抑える
  • ベースターンする時に見る場所へ目線を動かしてみる
  • ラウンドアウト・フレアをする時の目線の動きと手の動き

一例ですが、このように意識的に体を動かしていき体に覚えさせていきます

実際にフライトをすると、地上でやったようにはいきませんが、

地上でのイメージとのギャップを掴むことができます

何回も体を動かしていくうちに意識的にやっていたことが無意識化されていきます

無意識的に→意識的に→無意識的に→…

言語化して、実際に体を動かして、無意識的にやっていたことを意識的にできるようになった後は、

また無意識的にできるようになっていきます。(体が覚えたと言うことでしょう)

☆無意識にできるようにしないと、他のタスクや先に起こることを予測したりできません

そして、無意識的にやっていると、またできなくなる時期がやってきます

その時は、また言語化して意識的にやってみます

すると前に言語化していたよりも一つ上のレベルで言語化できることに気が付くはずです

そしたらまた、体を動かして体に覚えさせて…の繰り返しです

最後はシンプルに

何回も試行錯誤を繰り返していくうちに、思うはずです。

「毎フライトでこんなに考えながらやっていくの無理だ〜」

なので、最終的にはシンプルに大事なポイントを3つくらいに絞っていきましょう

ちなみに、教官や先輩たちが教えてくれるコツみたいなものは、この過程で考えられて絞られたポイントだったりします

まとめ

いかがでしたか?

今回は自家用課程でつまずきがちなポイントをまとめてみました

まとめ

自家用課程でつまずくポイント

  • ソロフライトに出るステージチェック
  • 終盤のステージチェック

特に着陸でつまずく人が多い

アドバイスとしては

  • 理想と現状を把握すること
  • 言語化して意識化
  • 体を動かして無意識化
  • この反復で最後はシンプルに

車の運転は初心者ほど意識的に運転をしていますが、慣れていくうちに無意識にアクセルやブレーキを踏んでハンドルを回しているはずです

スポーツでも例で挙げたようなことは、正しい動きを知って、何回も練習すれば習得できますよね

フライトも同じようにしていけば習得が早いと思います

今回はテクニカル的な話ではありませんですが、要望が多ければテクニカル的な話しも記事にしていこうかなと思っています

参考にしていただければ嬉しいです

ではまた!

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エアラインパイロット/ブロガー
東海大学を経て国内エアラインに就職

パイロットとして日々フライトをしながらブログを通して未来のパイロットに向けて情報発信
経済的自由への道のりも発信しています

今より一歩自由に、もっと楽しく生活できるように経済的自由に向けて挑戦中
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