【人生論】エアラインパイロットになる前となった後で変わった考え方
こんにちは、スーさんです
東海大学を経て国内航空会社で働いています
パイロットを目指す人や訓練生を応援するためにブログを書いています
今回の記事はエアラインパイロットになって思ったことをつらつらと書いていきたいと思います
めちゃくちゃパイロットになりたかった自分と、現在の自分。
正直同じ人とは思えないくらいかけ離れています。笑
この記事でわかること
- スーさんがパイロットになるまでの話し
- どんなことがきっかけで考え方が変わったのか
- そして今、スーさんは何を思っているのか。
パイロットになる前
機長になって、色んな機種に乗って、色んな路線を飛んで
パイロットとしてキャリアを積んでいきたい!
パイロットになった後
もう一歩自由に、もっと楽しく、色んなことに挑戦したい
スーさんのストーリーから、みなさん自身の人生を考えるきっかけになれたら幸いです
パイロットを目指したきっかけ
スーさんがパイロットを目指したきっかけは単純です。
飛行機から見た雲海がめちゃくちゃ綺麗で、この景色をずっと見たかったから
パイロットになれば毎日見れるジャン!と考えパイロットを目指します
当時、高校入学直前でした
パイロットはエリートがなるものと言う固定概念
目指し始めたのも束の間、パイロットは頭がいい人がなるものと思っていたので、目指して数秒で諦めました笑
ところが、その時「パイロットになりたい」とさらっとお母さんに話したところ、お母さんが本気になってしまい、どうやったらパイロットになれるかを、駆け回って探してくれました。
ある日、お母さんに連れられ、東海大学のオープンキャンパスへ行きました。
神奈川の奥地にある東海大学の湘南キャンパスへ行くために高速道路で車を数時間走らせ、当時オープンキャンパスを担当していた4年生の先輩方にズカズカと質問をし始めました笑
- 「偏差値はどのくらいなのですか?」
- 「ぶっちゃけ滑り止めはどこぐらいを受験しましたか?」
- 「どのくらいお金かかりますか?」
横で聞いてた僕が、「そんなこと聞くなよ、恥ずかしい」と思うくらい質問攻めに笑
パイロットはエリートじゃなくてもなれる
当時の私の学力は、平均以下(笑)
内申点もオール3行けば良くやったな。と言う感じ。お世辞にも頭がいいとは言えない、なんなら、問題児に近いガキでした笑
「こんなアホがパイロットになれる訳ねぇ」と当時は思っていました。
しかし、お母さんの質問に対する、先輩の回答を聞いて考えが一変。
お母さん:「偏差値はどのくらいなんですか?」
に対して、
先輩:「偏差値は55くらいじゃないですか」
と回答したのを聞いて、「俺も勉強頑張ったらいける!」と思っちゃいました笑
※今はもっと偏差値上がっているかもしれません。
【東海大学入学】もっとパイロットになりたい
受験科目の選択と集中、猛勉強により作戦勝ちみたいな感じで入学した東海大学
入学すると、周りはテレビで聞いたことある有名高校や調べれば県内トップレベルの高校に通っていた奴らがゴロゴロ。
その中で悟ったのは、「俺は多分ギリギリ滑り込めたんだ。受験以上に勉強しないとついていけん。」
【羨望の眼差し】ライセンスを取って帰ってきた先輩たち
東海大学は航空会社に入社するのに必要なライセンスをアメリカで取ります
帰国後は就職活動をして上手くいけば4年生で卒業します。
ライセンスを取って、あの航空会社に就職した先輩…「すごいなぁ」
「早く俺もライセンス欲しい!」その一心でした
多くのパイロットに出会う
大学に入ると、やはり現役のパイロットとの繋がりを持つ人がたくさんいました
私はその時、自分のパイロット人生の土台を作ってくれたある3人のパイロットと出会いました。
ある航空会社で働く、M機長、Y副操縦士、N副操縦士
この3人と出会っていなければ、現在パイロットになれているかもわかりません。
そのくらい大切なことを、当時のクソガキスーさんにたくさん教えてくれました。
その3人から『プロのパイロットとは?』をたくさん学びました。
そして、「俺もこんなパイロットになりたい!」と思うようになり、ますますパイロットになりたくなりました。
今でも一緒に勉強する仲
パイロットの世界は先輩後輩が入れ替わることが頻繁にあります。
転職をした、機種変更した、訓練中断で訓練期が入れ替わった…などなど
当時スーさんがたくさんのことを教えてもらったM機長が、スーさんと同じ機種に乗務することになり、定期的に一緒に勉強しています
全力で恩返しの時間ですね^ ^
【アメリカ留学】実際に飛び、さらに感じるパイロットの楽しさ
スーさんにも、待ちに待ったアメリカでの訓練の時がやってきました。
脱落寸前までいくなど、めちゃくちゃ辛い期間もありましたが、トータルで楽しかったのがアメリカでの訓練です。
地上で勉強したことや準備したことが、実際のフライトでできるとめちゃくちゃ楽しいし面白い。
3人のプロパイロットから定期的に熱いご指導をいただきながら、教わったことをフライトで実践してもっと上手く行くようになる
まさに
めっちゃやる→上達する→楽しくなる→もっとやる→もっと上達する→もっと楽しくなる→…
と言う流れが出来ていました。
セスナやセミノールと言う小さい飛行機で飛んでいましたが、
「B737やA320、B787とかを飛ばしたい!」
「B737やA320、B787とかを飛ばすために今勉強するんだ!」
とエアラインに入るために必要なことひたすら勉強していました。
間違いなく同期からは勉強しすぎてキモがられ、さらに、ウザがられてたと思います。笑
就職活動を経て
無事訓練を終えて帰国し、就職活動を経て数社から内定をいただき、無事に航空会社への就職が決まりました。
航空会社に入社するまでのスーさんは、パイロットとして、一生過ごしていく!
機長になって、色んな飛行機に乗務して、色んな路線に飛んで経験値を上げていきたい!
そんな考えでした。
就職活動でも、たくさんの葛藤や悩みがありましたので、また追々ブログにアップしていきたいと思います。
【入社して】早く訓練したい!!
航空会社に入社して、悲劇が私を襲いました。
そう、新型◯◯◯が大流行。会社の財務状況は一気に悪化。
訓練は停止、訓練開始の目処は立たない中、グランドスタッフとして働く日々…
先の見えない未来に相当ピリピリしていました。不安で過呼吸になったことも。
- 何かやっていないと不安でしょうがない。
- 会社も信用できない
- 金銭面もカツカツ
- そんな中、目の前をパイロットが歩いていく
そんな毎日を過ごしていました。
【想像を超える】航空会社はリスクだらけ
実際に就職する前から、航空業界は世界情勢に大きく振り回されることは知っていました。
しかし、実際にその最たる現象が現実に起き、
「リーマンショックでもここまでじゃなかった」と先輩から聞いたり、
実際に会社の対応を間近で見て、私は航空会社に自分の将来を預けるのはやめると決断しました
【遂に】訓練開始、副操縦士へ!
グランドスタッフとして働いて数年、遂に待ちに待った、訓練が始まりました
大学で勉強してきたこと、3人の先輩プロパイロットから教わったこと、会社に入って先輩から教わったこと、今までの全てを実際のフライトに結びつけていく作業をしていくうちに、自分がどんどん成長していくのを実感できました。
出来るようになるのに時間のかかるタイプでしたが、最終的にはありがたい評価をもらい、副操縦士に昇格することができました。
【実際に飛んで】感じた違和感
そして、、、
実際にエアライパイロットとして飛ぶようになって思ったことをつらつらと。
給料はいいけど、結局サラリーマン
エアラインパイロットは、結局サラリーマンです。
会社、飛行機、お客様
この内、1つでもなければ飛ぶこともできません。
そして、
- 給料は会社が決めた額
- どれだけ飛ぶかどうかも会社のスケジュール次第
- 頑張っても年功序列で給料に反映されない
プロパイロットとサラリーマンの狭間
大学生の時からプロのパイロットになるための勉強や訓練をしてきたつもりです。
そして、今でもプロのエアラインパイロットとしての誇りを持って飛んでいます
勉強しすぎて、キモいと言われることもしばしば笑(上にはもっと上がいますが。)
しかし、スポーツ選手などとは違い、自分の実力を上げて結果を出したとしても年棒は上がりません。
給料は所詮、年功序列で上がっていくだけなのです
機長に合わせたフライト
副操縦士は機長の補佐をするパイロットです。
そのフライトの権限と責任は機長にあるため、基本的には機長の方針に従ってフライトをします。
※将来の機長を育てるために副操縦士にフライトやマネジメントをさせることもあります。
問題は、この人は、私と同じ人間なのか?と疑うほどのモンスター機長と一緒に飛ばないといけなくなることです
モンスター機長は稀にしか遭遇しませんが、
- 飛び方が超独特
- 考え方に賛同できない
- 文句や不満など、ネガティブなことしか話さない
このような機長と一緒のフライトでも、その場の雰囲気を壊してまでフライトすることはできないので、合わせるしかないのです…
「こんなことする為にパイロットになったんじゃない!!」
と同期が嘆いていたこともあります。
機長も同じことを思っている!?
これは、逆も然りで機長の中でも、この副操縦士はモンスターだ。と思う人はいると思います。
最終的には機長が責任を持つため、副操縦士に合わせるかどうかはその機長の判断にはなりますが、結局は、隣に合わせたフライトをしないといけないのかもしれません。
【やはり結局サラリーマン】自由が少ない
パイロットは、基本的に残業がありません。
フライトタイムなどの勤務時間も規程でがっちり守られているからです。
基本的にサラリーマンは自由がない代わりに、安定した給料があります。
- 出張が多ければ、家に帰れない
- ある時間からお酒が飲めない
- 収入や労働時間を自分で決められない
【新しい世界が広がらない】出社しても話す人は極少数
パイロットは出社して
- 運航支援者(その日の天気概要や飛行計画を共有してくれます)
- 同乗の客室乗務員
- 整備士
- 空港で会った会社のパイロット
と、少しを話して、後の勤務時間のほとんどはコックピットにてパイロット同士での会話です
隣のパイロットが何かやっているかを聞き出すにも、関係性の構築が必要不可欠ですし、自分の話しが違う形で噂になって広がることもあります(笑)ので、全てを話せる空間ではありません。
自ら主体的にさまざまなコミュニティーに飛び込んで行かない限り、新しい世界は広がりません
【挑戦!?】パイロットになった今、思うこと
実際にエアラインパイロットとしてフライトをしていて最近思うことは、、
- もう少し自由になればいいな
- もっと楽しく飛べたらいいな
勉強してきたことや、準備してきたことが発揮できて上手くいった時、機長に認めてもらえた時は楽しくて、嬉しいですが、心が躍るような、フライトしたくてうずうずするような感覚が今はありません。
機長になったら変わる?
今の私は、副操縦士としての視座ですが、機長になればこの感覚は変わるのでしょうか?
一緒に飛ぶ機長で、すごく楽しんでいる機長も中にはいます。
「フライトって楽しいよな!」「飛行機飛ばしてお金もらえるなんて最高だよね!」
スーさん自身もきっと今とは別の感覚になるのは、確かだと思います。
しかし、機長になることが、『自分の人生で求めているものなのか』と問われれば、今は疑問が残ります
☆機長もできる、他のこともできる、選択はあなた次第!
この感覚がいいのではないか?と思っています。
【価値観が変わった】挑戦できる時代
今は、ITが発達して様々な挑戦がしやすい時代です。
世界中と繋がれるし、飛行機で色んな場所へもいける
起業して誰かの役に立てば報酬を受け取ることもできます。
パイロットの世界しか知らなかったあの頃から、
- 色んな職業の人と出会った
- 自由に過ごす人達に出会った
- もっと自由に生きられる方法を知った
- コロナショックで航空会社の現実を知った
これらのことが、スーさんの価値観を大きく変えました
まとめ
ここ数年の出来事や、パイロットになっての日々を過ごして、今、思うことは
- 今より、もう一歩自由になりたい
- 様々な体験をしてもっと人生を楽しみたい
- パイロットだけでなく、他のことにも挑戦して社会に貢献したい
スーさんはプロのエアラインパイロットであると同時に、自由を目指す一人の挑戦者として生きています
いかがでしたか?
今回のお話しがみなさんの人生を考えるきっかけになれば幸いです
それではまた、次の記事で!