【パイロットって楽な仕事】「オートパイロットに任せて座ってるだけ」は本当か

スーさん
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こんにちは、スーさんです

東海大学を経て国内航空会社で働いています

パイロットを目指す人や訓練生を応援するためにブログを書いています

そして、スーさん自身の経済的自由への道のりを発信しています。

この記事はパイロットを目指している方、パイロットに興味のある方へ向けて、パイロットのお仕事の一部を紹介したいと思います。

「操縦って言ってもオートパイロットでしょ?楽ですか?」

「オートパイロットに任せて座ってるだけなんですよね?」

と、パイロットに初めて会う人からこのようなことをよく質問されます。が、果たして本当にその通りなのか、ぜひ最後まで見て、確かめて下さね^ ^

結論

オートパイロットはあくまで支援システム

離着陸以外のフライトのほとんどはオートパイロットを使用する

パイロットはオートパイロットの管理やモニターが必要

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オートパイロットの機能

オートパイロットは、大まかに以下のような機能があります。

  • 高度を一定に保つ
  • 針路を一定に保つ
  • 上昇降下をしてくれる(色々なモードがある)

オートパイロットに加えて、オートスロットル(オートスラスト)の機能により、

  • 速度を一定に保ってくれる

パイロットがオートパイロットを使う流れ

まず、前提として、パイロットが目的地を入力すれば、飛行機が勝手に目的地に連れて行ってくれるわけではありません!

オートパイロットはあくまで、支援システムです

フライトコンピュータにデータを入力

まずは、その目的地に行くまでの、

  • 経路
  • 高度
  • 速度
  • その他必要な情報

を、オートパイロットやオートスロットルをマネジメントしているフライトコンピューターにデータを正しく入力します

正しく動いているかモニター

オートパイロットは入力されたデータや指示に基づいて飛行機をコントロールしてくれるだけです。

なので、パイロットはオートパイロットが、その入力されたデータや指示通りに飛行してくれているかモニターしていなければなりません。

適切なマネジメント

飛行機は当然ながら、空を飛んでいますので

  • 揺れる高度があって高度の変更をしたり
  • 積乱雲や雷雲が広がっているのを針路を変えて回避したり
  • 前後に他の飛行機がいるので速度の調整をしたり

このような色んなことに対応しながら飛ばさないといけません。しかし、これをオートパイロットが全てやってくれる訳ではありませんので、パイロットが適切にマネジメントしていきます。

必要があればオーバーライド

基本的にオートパイロットは優秀ですのでオーバーライドすることはありませんが、

  • 予想外の挙動があった場合
  • オートパイロットの使用制限高度が近づいて来た時

はパイロットがオーバーライドして操縦します。

高高度はオートパイロットが必須

エアラインパイロットはその日の風向・風速に応じて、

  • 燃料効率の良い
  • 定刻に入るような
  • 揺れない

高度を選定します。たいていその高度は高高度になることが多いのです。

富士山の2倍以上の高さです

飛行機がある高度以上に上昇すると、オートパイロットを必ず使わないといけない高度があります。

これは、航空機同士の衝突を防止するためのルールです。

オートパイロットの機能を熟知しておく必要がある

当然ながら、パイロットはなんとなくオートパイロットを使っている訳ではありません。

  • オートパイロットがどのような機能を持っていて
  • どのような条件で使えるのか
  • どのように解除するのか
  • パスの計算はどのようにされているのか
  • 各モードの特徴は

その他色々な知識を持った上で、使用することが求められています

車の自動運転モード知っている?

最近では、車の自動運転モードがありますが、この自動運転モードについて普通免許を持っているドライバーはどのくらい知識があるのでしょうか?

  • どのようなロジックで車線をキープしている?
  • どのように車間距離をとっている?
  • 速度を調整はどのようにしている?
  • 減速する時いつエンジンブレーキがかかる?
  • タイヤのブレーキはいつかかる?

こんなことを全て勉強した上で使っている人はなかなかいないのではないでしょうか?笑

パイロットはこれらの知識を全て頭に入れた上でオートパイロットを使うのです。

【マネジメント】高度・針路・速度を適切に

先ほども述べましたが、オートパイロットは、

  • 高度を一定に保つ
  • 針路を一定に保つ
  • 上昇降下をしてくれる(色々なモードがある)

このような機能があります。

高度を一定に保ってくれる時は・・・

パイロットは、操縦の他にもやらなければいけないことがたくさんあります。

  • 管制官とのやりとり
  • システムが正常作動しているか確認
  • 燃料効率や他機との間隔を考えて速度を調整
  • 飛行計画通りにフライトができているか確認
  • 地上スタッフへの情報伝達や情報交換
  • 目的地へ降下するに向けての準備
  • アナウンス
  • 客室乗務員との連絡

これらをパイロットがマニュアルでコントロールしながら行うのは、相当神経を使います。

なので、オートパイロットに支援してもらって飛行機を真っ直ぐ飛ばしてくれる間に他の仕事をするのです。

【空の道】飛行ルートについて

飛行機がどのような経路を飛んでいるか…?

出発地から目的地まで、一直線に飛んでいる訳ではありません。

(昔はそういう飛び方もしていました)

世界中の空には電波を使った無線施設や、GPSなどを使って空に道(ルート)が作ってあり、そのルートには名前が決められています。

航空会社の飛行機はあらかじめ「このルートを飛びます」というのを管制機関に飛行計画として提出し、管制がしやすいように知らせておきます。

そして、実際に飛ぶ時は、基本的にはそのルート(飛行計画として提出したルート)の上を飛行します

計画通りにはいかない

あらかじめ飛行ルートが決まっていますが、

  • 巨大な積乱雲が目の前に…
  • 飛行機同士の間隔のため
  • 管制機関から〇〇という地点まで直行してくださいの指示

などなど、一時的に経路を外れることがありあます

オートパイロットは、あらかじめ入力したデータ(飛行計画として提出したルート)通りの経路を飛ぶように針路を維持してくれます。

しかし、この一時的に外れるときは、パイロットが別のモードに切り替えて管制機関に許可や指示をもらった針路に変更して飛ばします

さまざまな理由で速度調整

速度の調整もパイロットの大事な仕事です。

  • 出発が遅れて定刻到着に間に合うか微妙
  • 上空の風が計画より強い・弱い
  • 他機との間隔

その他、色々な要素で飛行機の速度は決まります。

目的地が近くなる前から(目的地から何百キロも前から)管制機関から速度調整の指示を受けることもあります。

【目的地への降下】色々なモードを適切に使う

パイロットが一番オートパイロットの操作をするのは、降下中です。

目的地への降下は管制機関から、

  • どこまで降下して良いか(何feetまで降下して良いか)の許可や指示をもらい
  • 速度や針路の指示ももらい
  • その飛行機にとって適切な降下パス(降下率)を維持しながら

降下していくからです。

降下にはさまざまな方法がある

飛行機が降下するときは色々な方法があります

  • エンジン出力を最小にするIdle Descend
  • 降下率を一定に保つ降下(feet per minuteで管理)
  • フライトコンピュータに適切なパスを計算させ、そのパス通りに降下する方法

大きく分けてこの3つがあります。

オートパイロットには上記の3つのモードがあり、パイロットが状況を認識して適切なモードを選択してマネジメントしていきます。

※目指す人向けにオートパイロットの使い方や降下の仕方についての記事を今後アップしていきたいなと思います。

マニュアルコントロールをするとき

ご存じかもしれませんが、基本的には、離陸と着陸はパイロットがマニュアルコントロールをしています。

※視程がすごく悪い時はオートランディングをすることもあります。

それ以外の場合について軽く説明します

オートパイロットが予期していない動きをした時

基本的には信頼性が高いオートパイロットですが、ごく稀に予期していない動きをすることがあります。

そんな時は、パイロットがモードを変更したり、最悪オートパイロットを切ることによってオーバーライドします。

ボーイングやエアバスのコンセプトによってオートパイロットをどのようにオーバーライドするかのポリシーが説明されています。

しかし、「そのポリシーに従って、オートパイロットに任せたまま墜落しました。」では話しにならないので、パイロットの判断でオートパイロットをオーバーライドして飛行機が安全な経路や高度を飛行できるようにします。

技量向上のためにマニュアルコントロール

オートパイロットを上手く使いこなせる技術と、マニュアルコントロールの技術はそれぞれ別です。

※元を辿れば一緒ですが…今回は別の話しですので割愛します

ですので、パイロットとしての技術を落とさないために、いつもはオートパイロットを使うようなフェーズでも、マニュアルコントロールをする人もいます。

これはモニターするパイロットも相当疲労が溜まるので、毛嫌いされます笑

天気が良い、慣れた路線、ワークロードが比較的少ない空港など色々な条件を加味した上ですることが多いですね。

まとめ

いかがでした?

パイロットはオートパイロットに任せて座っているだけの職業でしたか?(煽り)笑

もっと深く説明したかったですが、航空力学や航空法、飛行方式のルールなど、色々な知識がないとなかなか理解が難しいので、今回はなるべく多くの人がわかるような説明にしました。

結論

オートパイロットはあくまで支援システム

離着陸以外のフライトのほとんどはオートパイロットを使用する

パイロットはオートパイロットの管理やモニターが必要

今回知って欲しかったのは、オートパイロットはあくまで支援システムの一つで、そのオートパイロットを使うにも、

  • その機能をしっかり理解しておく
  • その飛行機の状態や状況をしっかり認識すること
  • 適切なモードの選択

これらのことが必須ですし、フライト中は操縦以外の業務もたくさんあるということです。

また、こんなことが知りたい!ということがあればぜひコメントやお問合せからお願いします^ ^

それではまた!

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エアラインパイロット/ブロガー
東海大学を経て国内エアラインに就職

パイロットとして日々フライトをしながらブログを通して未来のパイロットに向けて情報発信
経済的自由への道のりも発信しています

今より一歩自由に、もっと楽しく生活できるように経済的自由に向けて挑戦中
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